「この家を諦めたくない 住み続けたい」
須賀川市 N邸 不陸調整・基礎補強工事
震災の1年前、大手リフォーム業者に大規模なリフォーム工事を依頼。「新築同様に美しく、しかも地震にも強くなりますよ!」の言葉を信じて施工・完成。しかし、今回の震災で抱壁の崩落とともに、家は大規模損壊の状況に。リフォーム業者の営業マンに連絡するも、「地盤の問題ですので破損住居の保証修理は一切できません」と冷たい電話応対のみだったそうです。
ご近所の皆さんからも「ここまで壊れてしまってはもう仕方がない・壊しなさい」と、何度も諭されたそうです。途方にくれていた4月上旬、「愛知県の曳家が須賀川で傾いた家を直しています」という地元の新聞記事を偶然目にして、藁をもすがる思いで地元工務店様を通じて調査の依頼されたそうです。
早速の調査の結果、私達が判断した内容は「この家は直ります」でした。抱壁と家の基礎・土台の破損は甚大ですが、幸い柱は生きている。外れた壁も引き寄せ可能。根本的な問題の抱壁と地盤も含め、鋼材の組み付けと地盤への打ち込みでの修理を提案。
建物の内・外の双方に鋼材の杭を打ち込み。土台を受ける鋼材とも絡ませ、これまでとは比較にならない強度の下支えを作成。抱壁の基礎補強も加えました。
建物・抱壁の補強ができれば、あとは工務店様の出番。外壁・内装の化粧を施し、可能な限り震災前の姿に近づけつつ、震災前よりも安全な家へとバージョンアップです。
「正直、もうだめだと思っていた。誰一人、この家が直るなんて言ってくれなかった。あの時、新聞記事を見ていなかったら、もうこの家は解体していたかもしれない。本当に嬉しい」と、ご主人から何度もお礼を言っていただきました。